ぎっくり腰(急性腰痛)その3

安藤です。

ぎっくり腰の原因がわからなくても、こうした方がいいということは、研究者たちの努力による臨床データから明らかになってきています。

まずぎっくり腰になってから最初に気をつけなけらばならないのはレッドフラッグ(危険な兆候)です。


レッドフラッグとは、転移性の脊椎腫瘍、脊髄・馬尾腫瘍、化膿性脊椎炎、椎体骨折、解離性大動脈瘤、強直性脊椎炎、閉塞性動脈硬化症、馬尾症候群などを疑う危険信号のこと。
聞いたこともないような病名がいくつも出てきて不安になりそうですが、これらは全ての腰痛の、
1~5%に過ぎずそんなに心配することはありません。
ただ見逃すわけにはいかないので、以下のようなサインの有無をチェックすることが必須です。

発症年齢が50歳以上である
徐々に痛みを感じるようになった
ひどい怪我をしてから腰が痛い(高所からの転落、交通事故など)
絶え間ない痛みが徐々に強くなっている(夜間痛、楽な姿勢や動作がない)
がんになったことがある
全体的にからだの調子がわるい
原因不明の体重減少がある
胸がいたい
糖尿病がある
腰の手術を受けたことがある
尿道カテーテルの留置、静脈注射の濫用、HIVポジティブ
尿路感染症になったことがある(腎炎、膀胱炎、尿道炎)
ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)や免疫抑制剤を使っている
背骨を叩くと激痛がある
からだが変形している
熱がある
腰が固くて前屈出来ない状態が3か月以上続いている
尿が出ない、便失禁がある、肛門や会陰部の感覚がない

長谷川淳史著「腰痛ガイドブック」より抜粋

上のうち一つでも当てはまるものがあれば、危険な腰痛か?というわけではありません。
が、不安を排除するために、整形外科医を受診して画像検査と血液検査を受けてください。
それさえ排除出来れば、「グリーンライト」です。
どんなに痛みが強くても、予後が良好な自己限定性疾患、つまり時間とともに自然と回復させてくれます。

ので、まずはとにかく「レッドフラッグ」を見逃さず、チェックする。
もし少しでも兆候があれば、画像検査、血液検査。
それで問題なければ「グリーンライト」安心して回復するのを待ちましょう。

レッドフラッグの兆候が最初からなければ「グリーンライト」
画像検査、血液検査の必要もありません。

レッドフラッグさえなければ何も怖いものはありません。
「一生この痛みが続くんじゃないか?」
という不安にかられるくらいの痛みでも、早い人で数日、遅い人でも数週間でウソみたいに回復するので安心していいのです。

しかし、「グリーンライト」なはずなのに、数週間たっても、なかなか治らずにいる人がいます。
また、良くなっても、何度も繰り返す人もいます。
なぜでしょう?

続く!

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